ポスター賞受賞者が実践している準備と発表のコツ【プレゼンにも応用可能】

大学院tips
大学院生
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学会にポスター賞があるんだけど、どうやったら取れるのかな?

大学院生
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自分はそんな優秀じゃないから、ポスター賞とか取るの無理だよ……

学会や研究発表会のポスター賞は自分に縁のないものだと思っていませんか?今回は学生時代にポスター賞を2回受賞した私が、ポスター賞を取るための準備方法と発表のコツを共有します!ぜひ最後まで読んでポスター賞を狙いに行きましょう!

また、今回の内容はプレゼンにも応用可能となっています。私は奨学金返済免除申請のプレゼン選考において、修士・博士ともに免除をいただいています。本記事の内容をプレゼンに応用することで、プレゼンスキルも向上間違いなしです!それでは、一つずつ見ていきましょう。

ポスター賞を取るメリット

就活や学振に有利になる

ポスター賞を取ると正式な「業績」になります。そのため、就活や学振の書類に記載することができ、他の応募者との差別化を図ることができます。奨学金の返済免除申請においても業績が見られることが多く、選考に有利に働くでしょう。ポスター賞を取得することで、「研究で成果を出していること」「発表スキルが高いこと」の2点を証明することができます。ESや申請書における自己PR文において根拠をもってスキルの高さを主張できます。説得力が増しますので、ポスター賞を取ることで採択率の上昇に繋がると考えられます。

発表スキルが向上する

ポスター賞を取るためには、聴衆への発表や質疑応答のスキルを磨く必要があります。研究内容が良くても発表がぐだぐだでは、ポスター賞は受賞できないでしょう。受賞には、ある程度以上の発表スキルが必要となります。ポスター賞を取るための準備を行い、経験を積むことで発表スキルが向上し、その結果としてポスター賞を受賞できます。発表スキルが向上すると、自分の研究を聴衆に分かりやすく伝えられるようになるため、それ以降の学会発表やアカデミアでのポスト探し、就活において良い影響をもたらします。研究に打ち込みながらも、発表スキルの向上に取り組んでいきましょう。

自分の研究に自信がつく

ポスター賞を受賞することは、研究内容が優れていると認められたことになりますので、自分の研究に自信がつきます。これはポスター賞を受賞して初めて気付きました。大学院の研究では、上手くいかないことが多いです。実験が上手くいかなかったり、予想とは異なったデータがでたりすることはよくあります。そして、ポスターを作ったもののデータが不完全な状態なので、「こんな発表で良いのだろうか」「もうちょっとやりたかったんだけど……」などと自分の研究に自信が無い状態で発表に臨むことがあると思います。そのような状態にあっても、聴衆からのコメントで「良い研究ですね」などと言われると救われる気分になります(私の場合はそうでした!)。同様に、ポスター賞を受賞することで、客観的に良い研究であると認められたことになり、自信がつき、その後の研究活動に精が出るでしょう。

ポスター賞を狙うデメリット

準備に時間がかかる

念のためデメリットを一つ挙げるとするならば、発表のクオリティを上げるための準備に少し時間がかかることかと思います。発表スキルの向上などに興味がなく、自分は研究できればそれでいいんだという方は、研究を頑張ってください!

ポスター賞を取るコツ【準備編】

イントロとメソッドは聴衆の専門を考慮する

あなたが出る学会は、何に関する学会でしょうか?生命科学系なら、細胞生物学会や分子生物学会、それとも分野が絞られた神経科学学会や免疫学会のような学会でしょうか。学会によって、集まる研究者のバックグラウンドは異なります。聴衆の専門を考慮し、イントロとメソッドを作りましょう。私の基準を以下に記載します。自分の研究に当てはめて考えてみましょう。

・聴衆にとって当たり前すぎることは、一文くらいに留めましょう。
・知っている人と知らない人が半々くらいの内容は、文章に簡易的な図を添えておきましょう。
・自分のラボの強み=他のラボではそこまでやってないことは、図を用いてしっかり説明しましょう。
 ※文章やレジェンドをつけて手厚く説明する

聴衆の目の動きを考えて図を配置する

聴衆の目の動きを考えてポスターの図や文字を配置してみましょう。他の人のポスターを見たときに、やけに読みづらいな……と思ったことはありませんか?読みづらいとストレスになり、読む気が失せてしまうことがあります。ポスター賞を受賞するには不利ですよね。読みやすさに関しては、作っている本人では気付きにくい部分です。研究室の先輩や同期に見てもらい、指摘をもらうと良いと思います。

欲を言えば、聴衆の目の動きだけでなく、頭の中まで想像できると尚良いです。全体の構成や図の配置を考える時に、どの順番で話すと伝わりやすいのかと考えてください。コツは、実際に話す原稿をイメージすることです。自分が話しやすい順番にすると、自然に発表のストーリーも綺麗になることがあります。参考にしてみてください。

ポスターの情報量に気をつける

たまに情報量が多すぎる、または少なすぎる場合があります。少なすぎる場合に関しては修士でありがちかと思いますが、これは実験量が増えて外に出せる結果が増えてきたら自然に解決しますので、特に問題ではありません。データ量が少ないなと思っても、自信を持って発表しましょう。

一方、情報量が多すぎる場合には、情報を取捨選択する必要があります。これも実際に話す原稿をイメージすると良いです。6~7分程度の発表で説明できるだけの図に留めることをおすすめします。図や文字が多すぎるポスターを作成されている方は、発表時間も長くなる傾向にあります(人によっては10分以上も……)。簡潔に全体の流れを説明できるようにしておくと、聴衆からの印象が良くなります。

短い発表原稿と長い発表原稿の2つを用意しておく

発表原稿は、3分間と7分間の2種類用意しておきましょう。聴衆の中には、「さらっと内容を教えてほしい」人と、「興味を持ったのでしっかり内容を聴いてディスカッションしたい」人が混在しています。どちらにも対応するために、2つの長さの発表原稿を用意しておきましょう。ふらっと訪れた人には短い方、ポスターをじっくり見ていた人には長い方、と使い分けをすることで、聴衆の方が気分よく発表を聴くことができるようになります。短い方では、すべての図を説明できなくても良いです。自分の発表で大事な部分が伝わるような発表にしましょう。

発表の制限時間がある学会では、制限時間をオーバーしないようにしましょう。進行をしてくださる座長の先生を困らせないようにしましょう。また、制限時間をオーバーすると質疑応答の時間が短くなるため、研究について「分かっている」ことをアピールする時間が短くなってしまいます。質疑応答が短くなるからラッキーと思う方もいると思いますが、アピールする機会を逃していると考えられます。

質疑応答対策を十分に行う

質疑応答対策を行うことはとても重要です。発表は原稿を覚えていたから上手くできたけれど、質疑応答がボロボロだった……ということは大学院生なら一度は経験済みかと思います。質疑応答でしっかりとした応答ができれば、ポスター賞に一歩リードすることができます。発表は質疑応答が要ですね。

以前「学会発表における効果的な質疑応答対策」について記事を書いたので、質疑応答の質を高めたい方、質疑応答に自信が無い方はこちらも見ていってくださいね。

ポスター賞を取るコツ【発表編】

大きな声でハキハキと、ゆっくり話す

これ、大事です!今自分の発表を聴いていない人も惹き付けるくらいのつもりで、大きな声でハキハキと発表してください。これまで実験に解析にポスター作りまで頑張ってきた訳ですから、自信を持って発表しましょう。口角が下がりがちな人は少し上げてみましょう。声が通りやすくなります。ポスター発表では、聴衆から評価されているという意識を持って、自分の研究と研究者としての自分をアピールするつもりで行いましょう。

聴衆の様子を見ながら、軽く補足説明を足す

聴衆の様子を見ながら発表しましょう。聴衆の表情を見ながら発表していると、一瞬「ん?」という顔をされることがあります。その場合は、説明が足りておらず聴衆に疑問が生じています。そこで補足説明を入れることで納得感がうまれ、聴衆の理解度が上昇します。その後のディスカッションもより良いものになるでしょう。聴衆は疑問が生まれた瞬間、以降の話が頭に入りづらくなっていると考えられます。疑問がそれ以降の発表内容や図に関係するなら尚更です。もしその瞬間に気付けた場合は、補足説明を入れましょう。これは少し難しいので、発表に慣れてきたころで構いません。

質疑応答で萎縮せずに堂々と答える

質疑応答でも堂々としていることが重要です。自信を持って堂々と質疑応答に答えると、ポスター賞にふさわしいと思ってもらえるでしょう。とはいえ、質疑応答は準備をしていなかった場合、予想外の質問が来てオロオロしてしまう……ということもありがちです。質疑応答対策をしっかり行うことで、自信をもって答えられるようになると思います。

まだ読んでいない人は、質疑応答対策の記事も読んでみてくださいね。
質疑応答集は、日々アップデートしていくことをオススメします。

まとめ:発表スキルを向上させて、ポスター賞を受賞しよう!

ポスター賞受賞を目指して準備を行うと、発表スキルを向上させることができ、受賞に近づきます!
ポスター賞を目指して頑張る皆さんを応援しています!

今回の内容はプレゼンにも応用可能なので、学会発表や研究室でのプレゼンの時にも意識してみてくださいね。

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この記事を書いた人
shion

shionと申します。旧帝大の生命科学系ラボにて博士号を取得し、製薬企業の研究職として働いています。大学院tipsや英語学習について発信していきます。

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